青木謙知(あおきよしとも)
航空・軍事評論家。元「航空ジャーナル」編集長。著書に『ボーイング777』『世界の旅客機』他。
 アリタリア‐イタリア航空は2003年2月1日よりミラノ〜成田、同年夏期スケジュールからローマ〜大阪にボーイング777を導入します。エコノミークラスを含めた全座席にパーソナルテレビを装備したこのボーイング777は、現在世界の空を飛んでいるジェット旅客機の中で、最新の機体です。ボーイング777よりも後で就航を開始した機種はいくつかありますが、それらはいずれも胴体を延長または短縮したり、あるいは重量を変更したりといった既存機の派生型で、一から新たに設計したジェット旅客機となると、このボーイング777が最新鋭機ということになります。

 ボーイング777の最大の特徴は、完全にコンピューター化された操縦装置をはじめとする、最新世代のハイテク旅客機という点にあり、これにより安全性と経済性が極めて高くなっています。安全性の面では、速度、高度、旋回の傾きなどの飛行制限の領域を逸脱しない保護機能が操縦装置に設けられていて、危険な飛行状態に陥らないように、自動的にコントロールされます。

 ただボーイングのフィロソフィは、最終的な操縦権限を有するのは機械ではなくパイロットであるということで、もしパイロットが必要であると考えれば保護されている領域から故意に逸脱させることも可能です。つまり、安全性を高めつつ、コンピューターよりもパイロットに優先権を持たせた設計が取られているということです。

 アリタリア‐イタリア航空が導入したボーイング777-200ERは、全長63.73mのボーイング777の標準型で、総重量を297,560kgに増加した航続距離延長型です。これにより日本〜イタリア間を、余裕を持ってノンストップで飛行できます。
さらにボーイング777は、1995年6月の就航開始当初から双発機による拡張運航という、長時間の洋上飛行運航が承認されました。これは機体とエンジンの組み合わせが高い信頼性を有していないと認可されないもので、日本〜イタリア間では長時間の洋上飛行は関係ありませんが、これもボーイング777の高い安全性を保障するものです。

 太い胴体も特徴の一つで、ボーイング777よりも幅の広い客室を有しているのは、ボーイング747の1階席だけです。アリタリア‐イタリア航空のボーイング777-200ERは、291席の客席を設けていますが、これは初期のボーイング747の標準客席数をわずかに下回るだけの数字です。

 客席数が多くなると、それだけ機内が狭くなると感じられるかも知れませんが、ボーイング777は二つの半円を組み合わせた天井など、広々とした客室になっています。この機内設計はまた、客室内に二つの対流を作り出すようにされていて、換気などの面でも優れていて、従来の旅客機よりもはるかに機内の快適性が高められています。
さらにアリタリア‐イタリア航空では、全座席に取り付けたパーソナルテレビで、豊富な機内エンターテイメントシステムを提供。快適な客室を備えたボーイング777-200ERにより、イタリアへの空の旅がこれまで以上に楽しくなるのは確実です。